2012年10月15日月曜日

AndroidでParse(Baas)を使ってPush通知する

巷で流行のBaaS(Backend as as Service)に、Parseというのがある。
色々なことができるけど、現状では「各種APIとデータベースを兼ね備えたサーバーアプリケーション」という風に認識され、使われていることが多いみたい。

今回はそんなParseの機能の一つであるNotification(Push 通知)を使って、サーバーサイドの開発無しにPush通知を実装してみる。

ちなみに100万リクエスト/月、1GBストレージまでは無料で使える。

ユーザー登録


www.parse.comへアクセスし、Try it freeボタンからサクっとユーザー登録を行う。

Quick Start

登録が済んだらログインする。自動生成とかスケルトンとかに抵抗がなければそのままQuick Start Guideへ進むと下記のページになる。



Choose your platformでAndroidを選択し、未作成であればCreate an Appあたりからアプリケーション作成を行う。
さらにBlank Android project with Parse SDK(.zip)というリンクから空のAndroidプロジェクトファイルをダウンロードする。Eclipseでダウンロードしたzipファイルを既存のプロジェクトとしてインポートする。

Quick Startの中身

自動生成とかスケルトンとかに抵抗がある場合、何を自動生成しているのか不安でいっぱいになるので、何が起きているのかを簡単にまとめておく。

  1. 空のAndroidプロジェクトを作成
  2. SDK(zipファイル)をlibsディレクトリへ設置
  3. プロジェクトのライブラリエクスポート設定に上記SDKを追加
  4. Applicationクラスを継承した新規クラスを作成し、onCreateメソッドをオーバーライド。さらにParse.initialize()メソッドの呼び出しを追加
  5. AndroidManifest.xmlのapplicationタグにandroid:name="作成したAppicationクラス名"を追記

といったことをやったのと同じ。


AndroidManifest.xmlの設定

AndroidManifest.xmlにサービスとブロードキャストレシーバの設定を追加する。

<!-- サービスを登録 -->
<service android:name="com.parse.PushService" />

<!-- ブロードキャストレシーバを登録 -->
<receiver android:name="com.parse.ParseBroadcastReceiver">
  <intent-filter>
    <action android:name="android.intent.action.BOOT_COMPLETED" />
    <action android:name="android.intent.action.USER_PRESENT" />
  </intent-filter>
</receiver>
パーミッションの利用設定を追加する。 ※必要最低限のみなので公式ドキュメントのチュートリアルとは少し異なる ※公式ドキュメントには書いていなかったけど、ACCESS_NETWORK_STATEも必要だった
<uses-permission
  android:name="android.permission.INTERNET" />
<uses-permission
  android:name="android.permission.ACCESS_NETWORK_STATE"/>

参考 : Push Notifications - Parse.com



Application IDとClient Keyの設定

Parseサイトにログインした状態で、アプリケーションのOverviewページを開くと、Application IDとClient Keyが表示されるのでこれをメモしておく。

ParseApplicationクラスのonCreateメソッドに記載されている、Parse.initializeの引数を上記の内容に書き換える。

Push通知を受け取るためのコードの追加

前項同様ParseApplicationクラスのonCreateメソッドに下記のコードを追加する。

PushService.subscribe(this, "", ParseStarterProjectActivity.class);

Push通知送信

Parseサイトにログインした状態で、アプリケーションのPush Notificationsページを開くと簡単なPush通知送信管理画面が開くので、適当なメッセージを記入してボタンを押すだけ。


REST APIでPush通知を行う

ParseサイトでのPush通知は、REST APIで以下のリクエストを送信しているっぽい。
送信する内容と受け側のアプリをカスタマイズすれば「Push通知をステータスバーに表示する」というデフォルト動作を変更することができる。

Header

項目
URLhttps://api.parse.com/1/push
MethodPOST
X-Parse-Application-IdアプリケーションID
X-Parse-REST-API-KeyREST APIキー
Content-Typeapplication/json

Body

{
  "channels": [ "" ],
  "type": "android",
  "data": {
    "alert": "This is test message."
  }
}

Push通知で独自の動作を実装する



配信側

REST APIへ送信するJSONデータのalertをactionに変更する。(以下例)

{
  "channels": [ "" ],
  "type": "android",
  "data": {
    "action": "jp.blogspot.tomokey.action.SAMPLE",
    "msg": "This is test message."
  }
}

受信側

ブロードキャストレシーバを作成し、インテントフィルタのactionに上記のjp.blogspot.tomokey.action.SAMPLEを指定する。ブロードキャストレシーバの実装は、以下のようにcom.parse.DataをキーとしてJSONデータを取得すれば、あとはお好みの処理を。

public class MyReceiver extends BroadcastReceiver
{
  public void onReceive(Context ctx, Intent intent)
  {
    try
    {
      // データを取得
      Bundle extra = intent.getExtras();
      String data = extra.getString("com.parse.Data");
      
      // jsonオブジェクトへパース
      JSONObject json = new JSONObject(data);
      
      String msg = json.getString("msg");
      Toast.makeText(ctx, msg, Toast.LENGTH_LONG).show();
    }
    catch (JSONException e)
    {
      e.printStackTrace();
    }
}

念のためブロードキャストレシーバの定義も。

<receiver android:name="MyReceiver">
  <intent-filter>
    <action android:name="jp.blogspot.tomokey.action.SAMPLE"/>
  </intent-filter>
</receiver>

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